師である中里重利先生の作風を感じさせる、伝統と現代性が融合した一品です。作品名の「叩き」は、唐津の桃山時代から伝わる伝統技法である「紐作り」に由来し、粘土を紐状に積み上げ、内側から石を当てながら羽子板状の板で外側を叩いて成形していく手法です。ろくろを使わず、やわらかで自然な曲線が生まれ、板で叩いた痕跡をあえて残した質感がこの技法ならではの魅力です。
また、唐津焼では珍しい取っ手の造形には、どこかペルシャ陶器を思わせる異国の雰囲気も漂い、これも中里重利先生の影響が色濃く感じられるポイントです。色合いは控えめながら、釜変わりによる繊細な表情が現物ではより豊かに感じられ、落ち着いた佇まいの中に奥深さを秘めています。
サイズも大ぶりで存在感があり、床の間やモダンな空間にも調和する美術的な佇まいを備えています。花器として使う際は、直接水を入れるのではなく、竹筒やペットボトルを「落とし」として使用することで、見た目と実用性の両立が可能です。
サイズ:径 32.5cm
高さ 23.2cm
箱:共箱
【陶歴】
1958年 唐津市生まれ
1976年 唐津東高校卒業
1978年 唐津焼窯元で修業
1989年 現在地に築窯
1998年 千葉三越で個展
1999年 石川県の能登島ガラス工房でパート・ド・ヴェールの技法を習得
2006年 佐賀玉屋で個展
2008年 京都・野村美術館で個展
2014年 福岡 GALLERY一番館で個展
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