この作品は、人間国宝第1号として知られる陶芸家、石黒宗麿氏が手掛けた絵唐津の茶碗です。人間国宝の12代中里太郎右衛門(仲座叶夢)と交流があり、唐津に数ヶ月滞在してた頃に中里太郎右衛門窯で焼かれました。
そのためこの茶碗には、太郎右衛門窯の土や釉薬、そして窯の特徴が反映されています。石黒氏が自らろくろを引き、絵付けを施したこの作品は、石黒宗麿らしい独特のセンスと美しさが随所に感じられます。形のバランスや絵付けの雰囲気が一味違う仕上がりとなっており、どこか民芸を意識して唐津で焼かれた茶碗ではないかと感じる部分もあります。
唐津焼の伝統と石黒宗麿先生の芸術性が見事に融合したこの茶碗は、お茶席での使用はもちろん、飾ってお楽しみいただくこともできます。ぜひ、この一品を手に取って、その美しさと歴史を感じてください。
直径13.7cm 高さ8.7cm
箱:清水卯一 鑑定箱
石黒宗麿(1893-1968)
富山県射水(いみず)郡作道村(現射水市)の医家の長男に生まれる。
1927年 京都に移り、同地で作陶を行う。天目釉(てんもくゆう)を第一の課題とし、楽(らく)焼、赤絵、鉄絵から各種の色釉へと興味を移し、技巧に走らず終始自己の天分に身をゆだねて自由無礙(むげ)な加飾を楽しんだ。
1953年 天目釉の技法で国の無形文化財に選ばれる。
1955年 鉄釉陶器の技術で重要無形文化財保持者に認定。
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