唐津焼陶芸家・中里隆氏が非常に若い頃に制作された貴重な作品です。
焼き物の陶磁器学者であり陶芸家でもあった小山不二雄氏の勧めで、中里氏は種子島の能野焼きの復興に携わり、数年間種子島に滞在されました。この作品は、その時期に種子島で作られたものです。
唐津に戻られた後、中里氏は唐津の土を用いて釉薬をかけずに焼き締める技法を発展させました。この技法は、小山氏が「唐津南蛮」と命名し、隆太窯を築くきっかけともなりました。
種子島独特の鉄分が多い土を使用したことで、右側に見られる赤みを帯びた発色が生まれ、唐津の土とは異なる独特の趣が感じられます。
手前のグリーンの部分は、窯の中で舞った牧の灰がかぶることで生まれた色合いです。このように、窯変の美しさを楽しむことができます。
【陶歴】
1937年 人間国宝中里無庵の五男として唐津に生まれる
1961年 第十回現代日本陶芸展にて、陶彫「双魚」第一席受賞
1967年 世界各国を一年間旅行
1971年 小山富士夫氏の推薦により種子島にて築窯
九月に日本橋三越、大阪高島屋にて種子島焼の初個展
1975年 唐津に帰り、唐津市見借に築窯
小山富士夫氏より隆太窯と命名
現在 唐津とコロラド(アメリカ)のアトリエを中心にデンマークなど世界各地にて製作活動中
※商品の色、質感につきましては、ご利用されるモニター環境、ブラウザによって、画面と実際の商品の色が多少異なる場合がございます。
おすすめの作品