石井 義久Yshihisa Ishii

  • ギャラリー一番館
    からのご紹介
  • 陶歴・プロフィール
  • 唐津焼の伝統と現代の息吹を繋ぐ石井義久氏は、師・矢野直人氏の教えを受けつつ、古唐津や李朝陶磁への探求を重ねる陶芸家です。人柄の良さや地域活動への積極性も知られ、作品だけでなく作家自身に惹かれるファンも多い作家です。

    出会いと作家の歩み

    石井氏との出会いは、2012年秋、当店ギャラリー一番館の唐津本店2階オープン時に遡ります。オープン準備の際、師・矢野直人氏のもとで陶芸を学ぶ石井氏が手伝いに訪れたのが初めての接点でした。

    その後、石井氏は韓国や国内各地で焼き物の調査を行いながら制作技術を磨き、2018年9月に唐津相知で独立し、自らの窯「義久窯」を築き作陶を始めます。2024年には北波多の古窯跡近くに登り窯を設置し、当店GALLERY一番館にて『石井義久「義久窯」初窯展』を開催しました。

    師・矢野直人の教えと古唐津への探求

    師・矢野氏の指導を受け、石井氏は古唐津や桃山期・江戸初期の技法に強く傾倒しました。砂岩や石を用いた原料づくり、古窯跡での焼成といった伝統的手法を受け継ぎつつ、磁器の制作にも挑戦しています。

    天草陶石と唐津の土を組み合わせた白磁や堅手の作品は、李朝陶器の写しとしても定評があります。作品は地味ながらも素朴な味わいがあり、師匠の後を追いながらも、御所丸の小さなカップのように独自の創意も見せています。

    素材と技法へのこだわり

    石井氏は、素材選びと制作工程の一つひとつにこだわりを持っています。唐津焼の伝統的手法を忠実に再現しつつ、現代の視点での表現も模索しています。

    作品は一見すると地味ですが、実際には土の質感、釉薬、焼成温度など細部まで計算されており、歴史的な技法と現代的感性の融合が感じられます。

    人柄と活動

    石井氏は、陶芸家としてだけでなく、人柄の良さでも知られています。優しく人懐っこい性格は年上の陶芸家やコレクターに可愛がられ、ファンとの距離も近いのが特徴です。

    また、唐津やきもん祭りの実行委員として、イベント企画やチャリティー活動にも積極的に関わっています。作陶だけでなく、地域文化の振興にも貢献する姿勢は、多くの関係者や来場者から信頼を集めています。

  • 【プロフィール】
    生年 1989年
    窯元 義久窯

    【陶歴】
    1989 八王子に生まれる
    1996 埼玉県入間市に育つ
    2012 佐賀県立有田窯業大学卒業
    2014 矢野直人に師事
    2018 唐津市相知町にて作陶をはじめる
    2024 唐津市相知町にて義久窯を築窯