岡本修一Syuichi Okamoto

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  • 陶歴・プロフィール
  • 統的な唐津焼の中にモダンデザインの要素を取り込みながら、新しい方向性を提示しています。落ち着きと華やかさをあわせ持ち、日常の食卓にも、特別なシーンにも自然に溶け込む器。

    唐津焼のもつ土の力強さと、現代感覚の造形美。それらが共存する岡本修一先生の作品は、これから唐津焼を知る方にも、長年親しんできた方にも、新たな魅力を感じさせてくれます。

    土づくりから釉薬まで、すべてを自らの手で

    岡本先生は、素材選びから器づくりを始めます。自ら山に分け入り、土を掘り起こして粘土をつくり、釉薬の調合、成形、焼成までを一貫して手がけるスタイルは、土の質感や手仕事のぬくもりを生かした作品につながっています。

    こうした手仕事へのこだわりは、唐津焼の伝統的な精神に根差しながらも、現代の暮らしや空間に自然と溶け込む器づくりへと昇華されています。

    デザインの世界から陶芸へ

    岡本修一先生は、大阪の美術専門学校でファッションデザインを学び、卒業後は服飾デザイン会社に勤務。色彩やフォルム、素材の組み合わせに関する独自の感性は、この時期に培われたものです。服飾デザインの現場では、衣服の機能性と美しさ、トレンドへの対応力が求められますが、その経験が器づくりにも色濃く反映されています。

    その後、唐津の名窯「作礼窯」を率いる父・岡本作礼氏のもとで本格的に陶芸を学び始め、2018年には自身の工房を構えて作家として独立。まだ10年余りのキャリアながら、作品の完成度の高さと独自の世界観により、近年その評価と人気は急速に高まっています。

    唐津焼の「入り口」になる作品を

    「唐津焼の入り口になれれば」という想いを胸に、岡本先生は伝統に軸足を置きつつも、現代のライフスタイルに合った器を生み出しています。ギャラリーでの展示や、日常の食卓での器の見え方、空間との相性を重視しているのもそのためです。

    器のサイズ感や使いやすさ、手に持ったときのバランスの良さなど、実際の使用シーンをイメージした設計が施されています。加えて、服飾業界で培った配色センスと造形感覚が融合し、器そのものが空間に調和しながらも際立つ存在となっています。

    デザイン的発想と伝統技法の融合

    岡本修一先生の作品は、父・作礼氏から継承した唐津焼の技術をベースにしながら、デザイン的な発想と実験性が随所に見られます。とくに、「岡本修一 作 二彩唐津ペイズリー文板皿」はその象徴ともいえる作品で、西洋のペイズリー文様を唐津の技法で表現した、ユニークな一皿です。

    器のかたちや釉薬の表情、絵付けのモチーフまで、いずれも斬新さと品格を併せ持っており、「使う楽しさ」と「見る楽しさ」の両方を感じられるのが岡本作品の魅力です。

  • 【プロフィール】
    生年 1986年
    窯元 作礼窯

    【陶歴】
    1986年 佐賀県唐津市生まれ
    2004年 佐賀県立有田工業高等学校 デザイン科卒業
    2006年 ヒューマンアカデミー大阪校 グラフィックデザイン科卒業
    2011年 父(岡本作礼)のもとで陶芸を学ぶ
    2012年 伊勢丹新宿店にて『暮らしにとけこむ唐津の器 からつもの展』
    2013年 阪急うめだ本店にて『からつもの tea bowl 100選』
    2014年 東京日本橋三越にて『唐津の器でお茶時間』
    現在は日本各地で個展を開催