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Karatsu ware and Arita ware specialty store GALLERY Ichibankan online shop
皆さまこんにちは。
今週は二つの台風と梅雨前線が重なり、日本各地で大雨となっています。
皆さまのところでは被害などありませんでしょうか。何よりも安全第一でお過ごしください。
先週は、唐津の料理屋さん「飴源」のお話を書きました。
私の大好きな小説家・立原正秋が唐津を訪れた際に書いたエッセイ「川辺からの眺め」にも、この飴源が登場します。この作品は随筆集『紫匂い』に収められており、今から四十五年ほど前に書かれたものです。
私にとって『紫匂い』は、やきものの世界を教えてくれた一冊と言っても過言ではありません。李朝の白磁の大壺の美しさも、この本の中で初めて知りました。
驚くのは、立原正秋が味わった飴源の鮎の瀬越しや鮎の塩焼きが、四十五年前とほとんど変わらない姿で、今も提供されていることです。
ミシュランで評価され、「ガストロノミー」という言葉が一般的になるはるか以前から、本物を知る人々の間では高く評価されていたことが、この一冊から伝わってきます。
そして立原正秋は、この唐津紀行の中で「唐津は和風李朝である。」と記しています。
私は飴源から玉島川を眺めるたびに、韓国・釜山近郊の窯元を巡った時の風景を思い出します。器も料理も風景も、どこか共通する空気が流れているように感じるのです。
唐津の魅力は、器だけでも、料理だけでもありません。豊かな自然の恵みを受け、それを料理人が生かし、その料理を唐津焼の器が引き立てる。そして、その背景には四百年以上続く歴史や文化があります。そうしたすべてが一つになって、唐津という土地ならではの美しさを形づくっているのだと思います。立原正秋が「唐津は和風李朝である」と表現した理由も、私はそこにあるような気がしています。
やきものと料理、そして李朝と唐津との深いつながりにご興味のある方には、立原正秋の『紫匂い』をぜひおすすめします。
ちなみに『紫匂い』という書名は、立原正秋が加藤唐九郎の代表作の茶碗に付けた銘に由来しています。巻末には『やきものの美を求めて』と題した立原正秋と加藤唐九郎の対談も収められており、やきもの好きには読み応え十分の一冊です。
さて、今週のオンラインストアでは、先週に続いて中里太亀先生の作品をご紹介しております。
太亀先生とも、気が付けば三十年以上のお付き合いになりました。日々の食卓に自然と馴染む、温かみのある器を、どうぞごゆっくりご覧ください。
それでは皆さま、大雨に気をつけて。
今週もよい週末をお過ごしください。
一番館店主
坂本直樹