ニュースレター(2025年3月22日 唐津 岡本作礼 新作展)
皆さまこんにちは。
お彼岸に入り、やっと春らしい暖かさが戻ってきましたが、今年の冬は本当にいつまで寒かったですね。
GALLERY一番館では本日より
「唐津 岡本作礼 新作展」が始まりました。
いつもは秋に開催することが多かった岡本先生の
新作展ですが、今回は春真っ盛りの開催となり、
会期中には桜の花も開花することでしょう。
さて、今回の新作展は本当に意欲作がたくさん
出展されていますが、特にDMでもご紹介した
「翠青唐津茶碗」は岡本先生の新境地と言えるような、
今までにありそうでなかった釉調のお茶碗が
焼き上がりました。
ボディーとなる素材には朝鮮カオリンと呼ばれる
耐火度が高い粘土を。
これに厚めに透明釉を掛けることで、高麗青磁の
ような色合いのやきものができたのだそうです。
有田の天狗谷と呼ばれる窯跡では、これに近い陶器と
磁器の中間のような陶片も見つかっているらしく、
泉山の陶石が発見される前にも、磁器に近い
やきものが唐津や有田で焼かれていた事を意識させる作品です。
唐津焼の起源も、まだまだ謎に包まれている
部分も多く、岡本先生も韓国や唐津の窯跡を
調査する中で、古唐津や李朝陶器にインスパイアされた
作品を多く産み出されています。今後もいろんな
作陶とともに、新たな研究も進むのだと思います。
もちろん食器や酒器にも定評がある岡本先生の新作展です、
日常使いのものや、飲食店向けの作品もたくさん展示
されています。30日(日)までの会期中は、岡本先生も
ほとんど毎日会場におられますので、お時間を見つけて、
ぜひ個展の会場にお越し下さい。
では皆さま、今週もどうぞよい週末をお過ごしください。
一番館店主
坂本直樹