ニュースレター(2024年12月20日 十二代中里太郎右衛門(無庵)、十三代中里太郎右衛門(逢庵)、中里重利、中里隆)
皆さまこんにちは。
もうすぐクリスマスですね。毎日寒い日が続いてますが、
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今週は中里太郎右衛門窯についてお話しさせていただきます。
皆さまご存知のように、中里太郎右衛門窯は
現在十四代中里太郎右衛門先生が御当主で、
江戸時代から唐津藩のご用窯として今に続く唐津を代表する窯元です。
唐津焼は桃山時代に豊臣秀吉の朝鮮出兵を契機として、
韓国からの技術を取り入れた事によって、当時としては最先端の技術を
誇ったわけですが、有田焼の磁器が作られるようになると、一気に
時代遅れの焼き物になって衰退してしまいます。
それでも中里家は唐津藩の献上品を作ることで、江戸時代もずっと
途絶えることはなく作陶を続けたわけですが、明治に入って
幕府が消滅し献上品の受注がなくなると、日本中の窯業は唐津に限らず
過渡期を迎えます。
そのうちに日本各地の窯元で桃山ルネッサンスが沸き起こり、
大正から昭和初期に唐津焼の窯跡の調査と再興に尽力したのが、
十二代中里太郎右衛門(中里無庵)です。
そして、戦後にかけて無庵を支えたのが、三人の息子である
十三代中里太郎右衛門と重利、隆です。
それぞれに作風も違い、十三代は本家を継ぎ、重利は三玄窯を、
隆は隆太窯を作って別々に作陶していました。
三玄窯は重利の死後閉鎖されていますが、本家である太郎右衛門窯は
十四代太郎右衛門先生に、隆太窯は隆先生もまだご健在ですし、
息子さんの太亀先生、お孫さんの健太先生へと繋がっていることは、
皆さまご存知のことかと思います。
一番館のサイト上に、この度「美術品として輝く名品」というページを
開設しましたが、今週はそこに載せるのに相応しい作品ということで、
十二代中里太郎右衛門(無庵)、十三代中里太郎右衛門(逢庵)、
中里重利、中里隆の茶盌4点をご紹介します。
どれも、それぞれの作風がよく表れたまさに名品です。
年末のお買い物としていかがでしょうか。
では皆さま、今年も残りわずか、いろいろお忙しいとは存じますが、
今週もよい週末をお過ごしください。
一番館店主
坂本直樹